溶連菌感染症は、主にのどに感染して発熱やのどの痛みなどが出る感染症です。正式名称は「Streptococcus pyogenes」といいます。この細菌は鎖状に連なった球状で、咽頭炎や扁桃炎の原因となります。さらに、中耳炎、肺炎、髄膜炎、化膿性関節炎、丹毒、蜂窩織炎などの皮膚感染症も引き起こすことがあります。特にA群溶連菌感染症が最も頻度が高く、一般的に「溶連菌感染症」と呼ばれています。
目次
日本での流行
日本では、通常「6月~8月」と「11月~3月」に流行しますが、2023年は10月中旬から感染拡大の兆候を見せています。特に11月からは過去最高レベルにまで達しています。
大人の主な症状
大人の溶連菌感染症の主な症状は以下です:
- 発熱(38℃以上)
- のどの痛み
- リンパ節の腫れ
- 倦怠感
潜伏期間は2~5日で、リンパ節の前側の腫れやイチゴ舌、喉の赤い点状の出血などが特徴的です。大人の場合、くしゃみや鼻水、咳などはあまり出にくいのが特徴です。
子供の主な症状
- 子供の場合、代表的な症状は以下です:
- 38℃以上の高熱
- のどの痛み
- 手足などにあらわれる発疹
- 舌の表面にできるいちごのようなブツブツした赤み(いちご舌)
- 3歳未満の小さい子どもの場合、熱が上がらないこともあります。
合併症
大人の溶連菌感染症では、放置すると重症化や合併症を引き起こすことがあります。例えばリウマチ熱、急性糸球体腎炎、結節性紅斑などがあります。
傾向と対策
- 手洗いと咳エチケット:
- 溶連菌は飛沫感染で広がります。こまめな手洗いと咳エチケット(マスクをして咳やくしゃみをする)を心がけましょう。
- 感染者との接触を避ける:
- 溶連菌感染者との接触を避けることが重要です。特に感染が疑われる場合、適切な感染対策を取りましょう。
- 感染拡大を防ぐための注意:
- 感染者と同じ食器やタオルを共有しないようにしましょう。
- 感染者のくしや歯ブラシを使わないようにしましょう。
- 抗生物質の適切な使用:
- 溶連菌感染症は抗生物質で治療できますが、適切な薬を選ぶために医師の指示に従いましょう。
- 感染者の隔離:
- 感染者は感染拡大を防ぐために隔離されることがあります。医師の指示に従ってください。
コメント